優秀な子に育てたい2
普通の子どもだったB君が、なぜ最難関中学である灘中に合格できたのでしょうか。
塾に入ってからのB君本人の努力はもちろん大切です。でも、同じように努力する子どもは他にもたくさんいます。
B君は、なぜ英才教育を受けて育ってきたA君に負けず合格できたのか。
B君のもって生まれた才能もあるでしょう(努力ができることも才能です)し、遺伝的な要素もあるかもしれません。(一応、B君のご両親も、有名私大出身です。)
でも、一番大きいのは、幼少期の育ち方にあったのです。
B君はどんな幼少期を過ごしたのか。
実は、B君のお母さんは、とんでもない「教育ママ」だったのです。
「校区の中学校がよくない」というのは、B君を説得するための方便。お母さんは、校区の中学に行ったときのB君の将来と、私立中学に行ったときの将来をうまく比較し、 結果的にB君が自分から私立中学を受験してみようと思わせるのに成功したのでした。
でも、それだけではなかったのです。B君が灘中に合格できたのは、すべてお母さんの戦略の賜物だったのです。
どういうことなのでしょう?
小さいときからやっておきたい4つのこと
B君のママは、中学受験の勉強は、小学校4年からで十分と確信していました。
そのため、塾に入れる小学校4年までにやらないといけないことはすべてやっておこうと、B君がごくごく小さいときから決めていたのです。
やらないといけないこととは何か?
・まず言葉の数を増やすこと。
・次にいろいろな体験をさせること
・さらに、積み木遊びと立体感覚。
・最後に、けじめ。
実は、B君のママは、有名進学塾の講師でした。
講師として、小学生の受験指導をするうちに、どんなこどもが難関中学に合格していくのかをつぶさに観察できたのです。
結婚し、B君が生まれてから、難関中学に合格させるための戦略を、ご主人と一緒に徹底的に考えました。
子育てに試行錯誤はつきものです。ですが、子どもの中学受験には試行錯誤は許されません。
たった1回のチャンスを確実にものにしなければならない。
それはそれは真剣に考えました。そして、先に書いた、4つにそれが集約されたのです。
まず、言葉の数を増やすこと。
B君の顔を見ながらきちんと話す。B君がとても小さいときから、お母さんは、B君に対して、よく、いろいろな言葉を使って話しかけました。
さらに、B君のおばあちゃんにも協力を依頼しました。
おばあちゃんというのは、だいたい、話好きです。しかも、同じ話を何度も何度もするものです。
B君はとても小さい頃から、おばあちゃんのいろいろな話を聞いて育ちました。そしてそれは、言葉数だけではなく、お母さんが思いもしなかった効果としてあらわれました。それはB君の知識量がとても豊かになったことでした。また、B君が心優しいという一面を持つのも、ひょっとしたら、おばあちゃんと過ごす時間が長かったからかもしれないと、お母さんは思っています。
言葉数を増やす手段は、それだけではありませんでした。
みなさんもたぶんやっていること、「読み聞かせ」を重視しました。
毎晩、毎晩、小さいときは、簡単な絵本から初めて、ピーターパンなどのディズニーアニメ、年長ぐらいになったら少年探偵団、小学校に通いだしたら・・・と、塾の勉強が忙しくなる5年の途中まで、ずっと続けました。
「窓際のとっとちゃん」や「五体不満足」などもいっしょに読みました。
普通は、小学校に上がったときに、お母さんは「あとは自分で」と、ある意味突き放してしまいます。
ですが、B君のお母さんはそれをせず、ずっと続けたのです。
学年が上がると、自分でも聞きながら考えるようになります。そういったことも実は中学受験にとって重要なものになっていくのです。
この話は続きます。